

オフィスダンカン主催の『ピグマリオン』を池袋のあうるすぽっとに観に行った。ピグマリオンはイギリスの劇作家・ジョージ・バーナード・ショーが世に認められるきっかけになった作品で、ミュージカル版は『マイ・フェア・レディ』である。久し振りにクオリティの高い芝居が見られると期待したのも束の間、頭には『何故?』の二文字しか浮かばなかった。
海外戯曲を演出するとき劇作家を勉強するのは基本中の基本である。バーナード・ショーの社会主義リアリズムを311以降の現代日本においてどう織り交ぜていくのかを観に行ったのにやってる事はイギリスかぶれの日本情緒芝居。
日本人が外人を演じる矛盾をどうのりこえるのか?
は私の師匠の言葉だが、そこすら乗り越えられてないあの惨状はなんなんだ。
まさか階級や身分制が今の日本の資本主義批判とのダブルイメージではないの?みたいな話であるならばどこに現代日本との共通項を入れた演出が入っていたのか。戯曲至上主義でいくならば俳優座に任せておけばいい。それと池袋芸術振興の方々は、あの主役より絶対うちの役者の方が上手いから皆で一回見にきてほしい。
招待券は出してるはずだから。
ああ、がっかり
