
僕は身分を隠して(笑)よく役者をやります
所属も何もいいません、芸歴はフリーで出します
知り合いがいたときは口止めします(笑)
何もかも捨て去って、一人の役者としてどこまで通用するのか
普段私が口に出している言葉に演技力をもって本当に責任をとることができるのか
また
普段の私の言葉や態度や稽古場の空気は
役者の立場にたったとき
役者のモチベーションをきちんとあげ、演劇という素晴らしい世界の魅力を失わせていないだろうか
それを、テストするために出ます
勿論、役者として、本気なのは言うまでもありません
演出家は【裸の王様】です。
自分では演出家であるつもりでも、ただの自己満足に陥る事がよくあります
蜷川さんは、よく自分を客観的にみて、自分の胸にナイフを突き刺していらっしゃった
一人一人の役者と、何十本、時には何百本の赤い糸を結ぶ事
その大切さ故、目標を常に上げ、自らを鼓舞して今も立ち向かっています
自分を客観的にみて、足りない所を補うという事
冷静な時、頭でわかっている【わかった】という言葉の曖昧さ
【わかった】でいたつもりが現場でいざやるときとの雲泥の差である事
常に私はそれに謙虚でありたいと思うんです
こう、自分に問いかけます。
演技力はありますか?
演出力はありますか?
グローバル化した演劇界は才能や個性だけでは
もうやっていけないよ。
そして冷静な眼差しを遠くに向けこう確信しています。
【数年後、芸能界も、くだらなさを極めるだけ極めたら、実力派な役者を使わざる負えなくなる、お笑いに今、その風が吹いてきているように、僕等がずっとやっていた事はすべてその為の投資だった、あとは、先着順に何十倍にも膨れた可能性をぶつけてゆけばいい】
不安な時でも、義理人情には義理人情で返すという事、それが信頼の証
そこには耳障りのいい言葉はいらないはず
魅せるのは、言葉じゃなくて己の背中
かつて
尊敬するすべての人達が
そう教えてくれたんだ